大理石磨き(鏡面仕上)とは

Ⅰ.大理石(床)の研磨・光沢再生(鏡面仕上げ)

※くすんでしまった大理石は磨くことでツヤ・光沢の復元ができます。

研磨・光沢再生(鏡面仕上げ)の例

 一般的に私たちが目にする大理石が綺麗に輝いているのは、石の表面が鏡面のように平滑に研磨されている(磨きだし/研ぎ出しされている)からです。これによって大理石に鏡面反射が生じ、鮮やかなツヤ・光沢が発生しています。これは日頃のお手入れやお掃除だけでは維持することが困難です。
大理石の光沢が落ち、くすんで見えたり、汚れて見えたりするのは石の表面劣化が原因だからです。

ただ、このような状態でも大理石の表面研磨(水研ぎ)を行うことで、元のような状態に修復ができます。
多くの場合、高額なリフォーム(貼替え)の必要はありません。


大理石の研磨・光沢再生(磨きによる艶出し): くすんだ状態⇒鏡面仕上げ

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1.大理石(床)のツヤ出し研磨(鏡面仕上げ)の概要

 1)大理石の光沢は、キズなどで劣化した表面を研磨する(研ぎ出す)ことで再生させます。

 2)大理石は柔らかい素材ですが石材である以上、容易に研磨はできません。
ダイヤモンドを練りこんだ研磨パッドで数工程を経て、段階的にきめ細かく磨き上げていきます。

 3)最後は微細なダイヤモンド粒子で磨き上げることで艶(ツヤ)・光沢を蘇らせます。

2.施工例のご紹介(ホテルのロビー)

1)きれいに維持されている床ですが、表面は経年劣化により光沢が失われていrます。

2)大理石の傷みが顕著でシミが出来ています。照明器具の映り込みもありません。 ↓ Before

3)これを研磨(磨く)することで光沢・つやが再生できます(鏡面仕上げ)   ↓ After

4)鏡面仕上げにより照明器具が映りこみます。 磨くことでシミ・くすみを解消。  ↓ After

3.マンション・戸建住宅・店舗の施工例

 大理石は玄関、玄関ホール、廊下、リビングルーム、居室、洗面脱衣所など、一般住宅でもさまざまな場所で床材として使用されています。
弊社では、一般住宅における小規模工事も承っております。

玄関(戸建住宅・マンション)

玄関・エントランス ホール

リビングルーム・居室

トイレ/洗面脱衣所 など

店舗・ショールーム など

リビングルーム・廊下

店舗・ホテル・マンション等のホール

        

Ⅱ.大理石の研磨・光沢再生(磨きによる艶出し)の意味

「大理石のシミ、くすみを取って欲しい」というご依頼は多くの場合、「染み抜きだけでは解決しません」

 お客さまからはよく、「清掃をしてもくすんだ大理石がきれいにならない」「大理石に染み(シミ)の痕が残ってとれない」というご相談をいただきます。
しかし、多くの場合それらはメンテナンス(原状回復)に多くの手間と時間を要することになります。 なぜでしょう。
以下、サンプルをもとに理由を説明します。

写真(下)は、大理石(ビアンコカララ)に汚れを付着させたものです。

 ↑これは一見したところ“シミ”というのは分かります。 ただし、実はこれにはもっと深刻な事態が起こっています。

 ↑照明器具の映りこみで分かるように、染み(シミ)の部分は光沢(ツヤ)が失われています。
これは、飲食物の酸性分が大理石を溶解するために起こります。
(この状態は、履物や傘から落ちた雨水などによっても起こり、店舗などでは顕著です)
お客さまは多くの場合、この“ツヤぼけ”の改善を問題にされています。
(たいていの場合、「大理石のシミ痕が取れない」「艶(ツヤ)・光沢がなくなった」「くすみがとれない」という表現をされます)

↑もちろん、染み(シミ)自体はシミ抜き等の手法で落とすことが可能です。

 ところが、お客さまが指摘される真の問題は、単なる“シミ取り”では解決できないのです。
なぜなら、その問題部分は“シミ”ではなく、“溶解跡(劣化)”だからです。

上記のように溶解(物理的に劣化)したものを再生・復元させる(鏡面仕上)ためには、劣化して荒れてしまった大理石の表面をもとの平滑な状態まで“磨きあげる”必要があるのです。これが “つや出し研磨” の意味です。

 これによって写真(左)のように、大理石が”きれい”になるのです。
照明器具の映り込みの様子から、再生前の“ツヤぼけ”“シミ”が完全に無くなり、大理石が再生・復元されたのがお分かりいただけると思います。

 大理石は石材での中では非常に柔らかい石灰質の石です。そのため耐久性に乏しく、酸性の物質に侵されやすいという特徴があります。特に住宅の玄関や店舗など、土足で歩行する場所では履物によるキズが顕著で、雨のしずくが落ちることでも表面が劣化(溶解)してしまいます。

初めのうちは周囲のものや照明器具などが映りこむほどの艶(ツヤ)・光沢があった大理石でも、次第に当初の輝きを失ってしまうという現象がおこるのはこのためです。

ひとたび光沢を失ってしまった大理石は、通常の清掃(洗浄等)で改善することは出来ません。

これを磨きあげることで再生するのが、大理石の研磨・光沢再生(磨きによる艶出し)です。

Ⅲ.石材のコーティング(保護材)

大理石を含め、石材はコーティング(保護剤)を施すことで、汚れや染み(シミ)の予防ができます。

以下、浸透性保護剤を塗布した大理石と、無塗布の大理石とに性質の異なる汚れを滴下した場合の防汚効果を比較してみます。

浸透性保護材(コーティング)の防汚試験

保護剤 無し|保護剤 有り

1)大理石の上に汚れを滴下

<石材の汚れ>
●コーヒー  ●オレンジジュース

●ワイン   ●ドレッシング

保護剤 無し|保護剤 有り

2)24時間後の洗浄結果

左側:保護剤無塗布の石は汚れが浸透し、シミとなって残りました。

右側:保護剤を施した石は汚れの浸透を防ぎ、石材のシミを防ぎました。

保護剤 無し|保護剤 有り

参考)浸透性保護材の撥水効果

左側:保護剤無塗布の石は、液体が石材の表表面に伸びる様に広がります。

右側:保護剤を施した石は撥水作用により、液体をはじきます。